『リスニングが苦手』を定義せよ
前回に続き、英会話の苦手についてを明確にしていきます。
ところで、『リスニングが苦手』ってどういう状況でしょう?自分でリスニングの何が苦手かを説明できますか?
実はリスニングの中には、単に『聞き取れない』だけが原因ではないことも多いんです。さらに英語を話す側、つまり相手の発音のせいで聞き取れないこともあります。さらにそもそも発音されない音があったり、文字と発音が違ったりすることもあります。
この記事では、これまで100人以上を指導してきた中で『リスニングが苦手』な生徒の共通点を紹介し、リスニングの中の何が苦手かを明確にして、英会話に活かしていきましょう!
『リスニングができない』の中身
早速、『リスニングが苦手』の中身を見ていきます。
・英語耳が育っていない
・長文になるとわからなくなる
・英語耳は育っているけど相手の言っていることがわからない
・実は相手が言っている内容がわかっているのに苦手だと思い込んでいる:全部を聞き取る必要はない。そもそも発音していない音もあるし。
・英語の発音ルールを知らない
・英語力がそもそもない
・相手のせい
これらを詳しく見ていきましょう。
英語耳が育っていない
英語を聞く耳が育ってないと、日本語耳で聞いてしまって単語を聞き取れません。
これには英語を英語として聞けるようになる必要があるのですが、この単語が英語発音ではこうなる、というように、一つずつ理解していく必要があります。その作業なしに英語耳が育つ人は少ないでしょう。映画をただ聞いているだけではリスニング力が伸びた実感は湧きましたか?特にこれまで英語の音に触れてこなかったのであれば、何度聞いても聞こえないところは聞こえないままでしょう。
とはいえ、リスニングには量は必要です。そして質も高めないと、ただBGMにしてしまってはほとんど意味がありません。リスニング力に自信がないなら、質×量を確保してください。
長文になるとわからなくなる
長文になると追いつかなくなるという悩みもときどき受けます。これは、3単語なら聞けても、接続詞で繋がった長い文章は途中から理解が追いつかなくなる、などです。
わたしはこれを『瞬間理解力』と呼んでいます。これは英語を英語のまま理解することです。英語をいちいち日本語に訳していると追いつかなくなります。日本語を通過せず、英語のまま聴いてわかる状態に持っていく必要があるので、英語耳はもちろん、日常会話で必要な英語力も必要です。
相手が言っている内容がわかっているのに苦手だと思い込んでいる
面白かったのが、この項のタイトルの内容です。リスニングができないという相談を受け、さらに話を聞いていくと、それは聞き取れていないわけではなく、全部完璧には聞き取れないけれど聞こえた単語から内容を推測している、と言うものでした。
推測できるくらい聞き取れているのですから、リスニングが苦手、とまではいかないような気がします。
同じくらいのリスニング力でも、意外と聞き取れます!という生徒さんの方が英会話が楽しくストレスが少ないように見えますね。
『リスニングが苦手』というよりは、『相手の英語をほぼ完璧に聞けるようになりたい』が正しいと思います。
少しリスニングから離れますが、意外とメンタルは大事なんです。英語は最低限しかできないけど、居酒屋で楽しくコミュニケーションを取れてますという人もいますし、アメリカ人のある人は、「とありがとう」という単語を言えるだけで日本語を話せると認識しています。
日本人は自信がない人が多い印象なので、ある意味このメンタルの持ちようは見習ってもいいかもしれませんね。
英語の発音ルールを知らない
リスニングができない、かつ英語耳はあるのであれば、発音を学んだことがないからでしょう。
なぜ発音?と思うかもしれませんが、日本語と英語の発音は全っっ然違うからです。発音のギャップと音の変化、脱落などです。
音の変化は、リンキングとか音の連結と呼ばれるものです。例えば、「Let It Go」は、日本語版では「レット・イット・ゴー」になるでしょう、しかし英語のLet It Goを聞くとどうでしょうか?「レリゴー」に聞こえませんか?
脱落音というのが、ドロップサウンドとも言え割れる発音のしかたで、単語の最後の音が発音されないというものです。「Let It Go」の「It」の「t」、これが聞こえないのがそれに当たります。そもそも発音されないのですから、聞こえない音を聞けというのは矛盾しているように感じませんか?
それから意外と多いのがこちら。『思っている単語の発音と実際の発音のギャップ』です。実際にカフェであった経験を紹介します。注文していたアメリカ人らしきお客さんが「カラモゥ」のような発音をしていました。しかしお店側のレジの男性には「カラモゥ?」とうまく伝わっていませんでした。
英語の発音を学んだ人や英語耳がある人なら、それが「キャラメル」のことだと分かるでしょうが、その男性は発音と「キャラメル」が一致しなかったのです。
これこそが、思っている発音と実際の発音が違うということです。
英語力がそもそもない
知らない単語は聞いてもわからないので、やはり基礎単語力とその発音がわかるくらいまでには勉強したいところですね。また長文になると聞き取れないと言う項目にもつながりますが、文法gあわからなすぎてもよくわからないで終わってしまいます。関係詞は文脈や単語からなんとなく意味が取れそうですが、whenくらいは単語も簡単ですしわかったほうが理解度はぐんと上がります。
ことも理由の一つです。試しにニュースを聞いてみてください。かなり難しいと思います。特に英語力自体に自信がないのならば、あとから字幕を見て、どんな単語でどんな発音なのかをチェックする必要があります。
相手のせい
と、ここまで担当生徒から耳が痛いと言われてきた内容だったのですが、実は相手の発音が原因で聞き取れないこともあります。
例えば訛りといわれるものがわかりやすいでしょう。アジア圏では特に母国語の影響を受けた発音になることが多いんです。日本語なら日本語英語のカタカナ発音になるでしょうし、シングリッシュと呼ばれるシンガポール人の話す英語は、シンガポールの言語の発音要素が入った英語、ということになります。
他に自分が学んできた発音とは違う発音をする人の英語は聞き取りづらいでしょう。例えばアメリカ英語で学んできた人にとってオーストリア英語は聞き取りづらいはずです。
またまた面白かった経験をお話しします。オーストラリアに旅行したときのことです。
ケアンズ空港で降りたときのこと。カタカナでは「ケアンズ」なのですが、アメリカ英語で学んできた私には「cans」に聞こえるのです。カタカナで書くと「キャンズ」でしょうか。
ケアンズの綴りは「Cairns」ですが、このRの発音がなくまっすぐ伸ばし棒のイメージの発音になるため、「Ca-ns」のように発音され、違う単語に聞こえてしまったのです。
さらに「airport」にはRが二つも入っています。「a-po-(t)」アメリカ英語発音の「apple」に聞こえてしまいました。
この辺りは正直仕方のないことなのであまり気にしないでください:) 英語を話せる人同士、これは承知の上で会話をしています。わからなかった時にわからないことを相手に伝え、コミュニケーションが取れるような努力をすればOKです!
まとめ
いかがでしたか?当てはまっていたものはありますか?
「リスニングが苦手」というだけでなく、その何ができないからそう思っているのか、そこを解明しないことには先に進めません。自分の状況をしっかいr把握し、苦手に対する正しい勉強をしていきましょう!!
〜次回の投稿〜
次回の記事は意外と大事なメンタルの問題についてまとめます。「できない」と思っていると本当にできません。実際できなくても楽しくやっていたら意外とできるようになったという経験はありませんか?英語でも当てはまります。心当たりがないか、ぜひチェックしてくださいね!
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